※本プレスリリースは、2026年5月19日に発表されたプレスリリースをもとにした抄訳です。
- ESETは、研究開発チームの拡大とセキュリティファースト設計の独立基盤AIモデル、包括的な多層AIセキュリティスタック、次世代AI SOC(セキュリティオペレーションセンター)の開発を加速するため、4,000万ユーロの投資を発表しました。
- 本投資により、AIワークフローの保護、サイバーセキュリティに特化したAIの強化、さらにサイバーセキュリティのテレメトリ分析と理解を推進します。
- ESETは、2026年3月以降、約80万件のユニークなAIスキル(AI用の拡張機能)をスキャンし、そのうち約2万5,000件を疑わしいものとして検出、3,000件以上を悪意のあるものとしてブロックしています。
欧州最大のサイバーセキュリティベンダーであるESET(本社:スロバキア)は、AIを活用したサイバーセキュリティの将来に向け、4,000万ユーロの投資を発表しました。ESETは、自律型およびエージェント型(agentic)AIシステムの進展により、新たなアタックサーフェスが拡大していると警鐘を鳴らしています。
本投資は、ESETのCEOであるリチャード・マルコがESET World 2026で発表したものであり、ESETのデータにおいてすでに確認されている変化を背景としています。2026年3月以降、ESETの技術は約80万件のユニークなAIスキルをスキャンしました。AIスキルとは、AIエージェントに対し、タスクの実行方法、ツールの利用、サービスへのアクセス、外部システムとの連携方法などを指示するモジュール型コンポーネントです。そのうち約2万5,000件が疑わしいと分類され、3,000件以上が明確に悪意のあるものとしてブロックされました。これは、今年初めに観測された約6万件の公開スキルと比較して、約13倍に増加しました。ESETの研究者によると、AIスキルは急速に拡大しているソフトウェアサプライチェーンの一部であり、機密性の高いシステムを外部リポジトリ、プラグイン、データセット、サードパーティサービスと頻繁に接続する役割を担っています。
ESET CEOのリチャード・マルコは次のように述べています。「サイバーセキュリティは、まったく新しい時代に突入しています。AIはもはや防御のためのツールにとどまりません。アタックサーフェスそのものの一部になりつつあります。今回の投資は、AIがセキュリティを弱体化させるのではなく強化する方向に活用されること、そして自律型AIの時代において組織を保護できる技術の構築を目的としています。」
本取り組みは、限られた少数のグローバルテクノロジー企業に高度AIシステムへのアクセスが集中しつつある現状において、ESETの技術的独立性と欧州におけるサイバーセキュリティ主権の強化を目的としています。
「サイバーセキュリティの未来は、ビッグテックが管理するモデルのみに依存すべきではないと考えています。サイバーセキュリティにおいて、主権は極めて重要です。」とマルコは続けます。
今回の4,000万ユーロの投資は、3年間の採用計画とあわせて実施され、ESETの研究開発チームは1,000人規模へと拡大されます。この投資は、以下の3つの戦略領域に重点的に配分されます。
- セキュリティファースト設計の独立基盤AIモデル
- 包括的な多層AIセキュリティスタック
- 次世代AI SOC(セキュリティオペレーションセンター)
ESETのAI担当副社長であるJuraj Jánošík(ユライ・ヤノシーク)は次のようにコメントしています。「ESETは長年にわたり、AIをサイバーセキュリティに応用する分野で先導的な役割を果たしてきました。現在変化しているのは、AIの役割そのものです。AIツールは日常業務に組み込まれ、エージェント型システムはアタックサーフェスを拡大させています。セキュリティチームには、より迅速な対応が求められています。本投資により、AIの安全な活用、サイバーセキュリティに特化したAIモデルの開発、そしてセキュリティ運用における人間の管理下での自律機能の導入まで、包括的に取り組むことが可能になります。」
セキュリティファースト設計の独立基盤AIモデル
ESETは、サイバーセキュリティ用途に特化して設計された独自のAIモデル開発を加速させます。一般的なAIが幅広いインターネットデータで学習されるのに対し、ESETのモデルは、約35年にわたり蓄積してきたサイバーセキュリティのテレメトリーデータや実世界の脅威インテリジェンスを基に最適化されます。
また、ESET LiveGrid、ESET LiveCortex、ESET LiveGuardなど既存のAI技術の継続的な強化に加え、デジタル環境における振る舞い、文脈、意図を理解するワールドモデル(環境理解モデル)といった新しいAIコンセプトの研究も進めていきます。
包括的な多層AIセキュリティスタック
AIがビジネスオペレーションに組み込まれる中、ESETはAIネイティブなセキュリティアーキテクチャの構築を進めています。これにより、AI由来の新たなリスクや脅威から組織を保護します。本投資には、ユーザー・AIエージェント・業務アプリケーション・AIモデルの間に安全な中間層を提供する「ESET Secure AI Relay(イーセット セキュア エーアイ リレー)」の開発も含まれます。
さらに、AIエージェント間の通信を保護するネットワークレベルのセキュリティ機能の開発も進めます。RSAC 2026で発表された無料ツール「ESET AI Skills Checker(イーセット エーアイ スキル チェッカー)」およびその製品統合版は、こうしたエージェント型AIエコシステムに対応するために設計されています。
次世代AI SOCの構築
ESETは、検知・対応環境の規模と複雑性の拡大に対応するため、次世代のAIセキュリティオペレーションセンター(SOC)技術を開発します。単にAIエージェントとアナリストを置き換えるのではなく、テレメトリーデータの処理、相関分析、理解の方法そのものを再設計することを目指しています。また、高度なAIセキュリティを、大企業だけでなく中堅・中小企業にも提供可能にするため、自動化と人間による監督を組み合わせた新たな保護モデルを推進します。
「アラートやダッシュボード、複雑性を増やすだけでは、サイバーセキュリティはスケールしません。業界には次の大きな進化が必要です。私たちESETは、AIによって高度なサイバーセキュリティを、誰もが簡単に利用できるものにする必要があると考えています。」とマルコは述べています。
ESETについて
ヨーロッパ発のサイバーセキュリティ企業であるESET® は、最先端のデジタルセキュリティを提供し、侵害が発生する前に防ぐことを目指しています。AIの力と人間の専門知識を融合させることで、ESETは既知・未知を問わず、進化し続ける世界中のサイバー脅威に先手を打ちます。企業、重要インフラ、個人を問わず、エンドポイント、クラウド、モバイルのいずれの保護においても、ESETのAIネイティブかつクラウドファーストなソリューションとサービスは、優れた効果と使いやすさを提供します。ESETのテクノロジーは「EU製」であり、強力な検知・対応機能、非常に安全な暗号化、多要素認証を備えています。24時間365日のリアルタイム防御と、地域に根ざしたサポート体制により、ユーザーの安全とビジネスの継続性を確保します。変化の激しいデジタル環境においては、先進的なセキュリティアプローチが求められます。ESETは、研究開発センターとグローバルなパートナーネットワークを活用し、世界トップクラスの研究と強力な脅威インテリジェンスを提供しています。詳細は、イーセットジャパンのウェブサイトwww.eset.com/jpをご覧ください。また、LinkedIn、Facebook、Twitter(現X)でフォローしてください。